ふじみ野市長 高畑 博 様
総合政策部 経営戦略室 副室長 森川 憲 様
総務部 人事課 統括主査 鶴﨑 康浩 様
ふじみ野市長 高畑 博 様
総合政策部 経営戦略室 副室長 森川 憲 様
総務部 人事課 統括主査 鶴﨑 康浩 様
近年、日々の暮らしの中でさまざまなデータに触れる機会が増えてきました。
行政を担う市役所でも、データの活用やAI利用といった先進的な取り組みを通じて、市民一人ひとりの暮らしをもっと便利で安心なものにする工夫が進んでいます。
今回はふじみ野市 高畑 博市長と、総合政策部の森川 憲さん、総務部の鶴﨑 康浩さんに「データやAI」の活用のこれからと「ヒューマン・データサイエンス学部」に期待していることをお話しいただきました。
INTERVIEW
行政と大学が連携し、一緒に取り組む理由をお話しいただけますか。
高畑市長:まず、行政の仕事について簡単に紹介します。
住民票や戸籍に関わる手続きは、多くの人がイメージしやすい業務の一つですが、それ以外にも子育てや教育、介護、福祉に関わる支援、道路や公園などのインフラ整備、ゴミや水道といった環境の管理、市の魅力を伝えるPRやイベントの企画など、本当にさまざまです。
私たちがこうした行政の取り組みを進める上で大切にしているのが「ウェルビーイング」という考え方。これは、経済や環境だけでなく、心の豊かさも大切にしながら、誰もが安心して暮らせる社会を目指すというものです。言葉を選ばずに表現すると「ワクワクしながら生活する」ことが、その土台になると考えています。
最近では、文京学院大学の学生さんが、商店街の空き店舗を活用して駄菓子屋さんを開いたり、ふじみ野市のスポーツイベントに参加したりと、地域で活発に活動してくれています。こうした姿は市民の皆さんからもとても好評で、まちの元気にもつながっていますね。そして、学生の皆さんには、「社会の担い手」だと少しずつ実感してもらえたら嬉しいです。
ふじみ野市に限らず、どんな地域でも、まちづくりに関わることは未来の社会をつくることにつながっています。その最初の一歩を、これからの大学生活で体験してください。
データ活用事例や、課題はどのようなものがあるのでしょうか。
森川:行政の業務は年々多様化・複雑化しており、それに伴って、さまざまなデータを収集・活用できる環境も整ってきました。政策の効果を分析して知見を蓄積することはもちろん、日々の業務の効率化にもAIやデータの力が活用されつつあります。
しかし、「データを活用する」といっても、表に見えている情報を見るだけでは本質を捉えることはできません。物事には必ず原因と結果があり、数値から「なぜこうなったのか?」と疑問を持つことが重要です。その問いを通じて課題を発見し、改善につなげていく力が今後ますます必要になってくる能力だと考えています。こうした力こそ、まさにヒューマン・データサイエンス学部で身につけてほしい力の一つですね。
鶴﨑:そうですね。「データ活用」というと理論的な思考が求められる印象がありますが、同時に、発想の柔軟さや想像力も欠かせません。加えて、得られたデータを相手の状況に合わせてわかりやすく伝えるコミュニケーション力も大切。つまり、必要なのは文系・理系の枠を超えた幅広い力です。
特に意識してほしいのは、「データは現場にある」ということ。現場を知らずにデータだけを扱おうとしても、適切な活用にはつながりません。現場の空気を肌で感じ、担い手という意識を育みながらそこで得た感覚とデータ分析の力を組み合わせてこそ、本当の課題解決につながるのだと考えています。このような人材は、公務員に限らず、民間企業などさまざまな場面で求められていくと感じています。
高校生へのメッセージをお願いします。
高畑市長:文京学院大学とふじみ野市との連携は、単なる「協力関係」ではなく、“地域をともに歩む仲間”だと考えています。
これから大学で学ぶ皆さんが、地域のイベントやまちづくりに参加する中で、自分の役割に気づき、「社会の一員」として成長していくことを心から期待しています。
PROFILE
ふじみ野市長
高畑 博 様
総合政策部 経営戦略室 副室長
森川 憲 様
総務部 人事課 統括主査
鶴﨑 康浩 様