いつも温かく受け入れてくれた
心理学科の先生方のように、
少年たちと向き合っていきたい。
高校までは柔道中心の毎日で体と心を鍛えましたが、大学では学業によって考え抜く力が鍛えられました。心理学科2年次の必修科目「心理学基礎実験」では、さまざまな分野の実験を行い、分析、考察、レポート作成を繰り返しました。粘り強く、集中して学んだ充実の時間でした。在学中は先生方の存在をいつも身近に感じていました。他者の意見を聞くことを大切にしていた私は、いろいろな先生の研究室を訪ねましたが、どの先生も温かく迎えてくれて、親身に相談に乗ってくださいました。
現在、私は法務省所属の法務教官として、少年院での生活指導や職業指導などの矯正教育に携わっています。少年たちには発達障害や精神疾患のあるケースも多く、大学の講義で学んだ知識が一人ひとりを理解する基礎となっています。また、非行に走った少年たちが心を開くようになるまでには、日々の言動をよく観察し、小さな変化に気づくことが大切です。これには心理学科で身につけた観察力が役に立っています。そして何より、個別に面接をするとき、大学時代にいつも先生方がおだやかに向き合ってくれたことは、今の自分が少年たちに向き合うときの姿勢に活きていると感じています。
※インタビュー内容はすべて取材当時のものです。