卒業生
だより
決めた道を究めてみた

鎌倉 正和さん 東邦大学医療センター佐倉病院
臨床検査技師
細胞検査士

決めた道を究めてみた

PROFILE
保健医療技術学部 臨床検査学科 2010年卒業
大学院 保健医療科学研究科 保健医療科学専攻 2012年卒業

細胞のわずかな変形を見逃さず、がんの早期発見に貢献したい。

人体には約60兆個の細胞が存在します。細胞には多くの種類が存在し、顕微鏡で観察すると、それぞれ特有の形をしています。この細胞の形が、特にがんなどの疾患では変化します。その変化を見逃さずに探し出し、診断するという病理検査を「細胞診」と言います。臨床検査技師の中でも「細胞検査士」の認定を受けた者だけができる検査で、がんの早期発見に欠かせないものとなっています。

私も働き始めて3年目に「細胞検査士」の認定試験に合格し、この検査を担えるようになりました。一般的に、診断はドクターがするもので、臨床検査技師はそのための標本をつくるのが仕事ですが、「細胞診」に関しては、私が顕微鏡も覗き、診断も行います。

細胞の形は教科書に載っているものと実際の患者さんで見るのでは、大きく違い、患者さんによっても細胞の形や大きさは異なります。多くの経験を積んで、自分の頭の中にデータベースをつくっていく必要があり、経験の豊富な先輩の意見も聞きながら検査を進めています。自分の診断が患者さんの治療方針に与える影響も大きいので、責任は大きいですがやりがいも感じます。

できなかったことが、できる喜び。全くわからなかったものが、わかる感動。

学生の頃は、朝から夕方まで授業や実習という日々も、一緒に同じ道を目指す仲間がいたから乗り越えられました。大学院の頃は、言われたことをやるのではなく、何をどう調べるか、どういう検査が必要か、自分で考えて動くことが大変でしたが、本当に面白かったです。後輩の研究の面倒を見てサポートしたことも、自分のことだけでなく相手のことを考えられるように意識が変わる経験でした。

働き始めてからは、医療を裏方で支えるプロとして、日々、経験を積むことの大事さを知りました。最初はマイクロメートル(μm)レベルの繊細な検体の標本化がうまく出来ず、1検体行うだけでも苦労しましたが、2〜3年目には、1日100検体ほどの標本化をこなせるようになりました。見ても全くわからなかった細胞の形の変化が、膨大な細胞を見つめるうちにわかるようになっており、自分の成長を実感できる喜びが、今はモチベーション。もっと自分の幅を広げて、臨床検査技師の存在価値を高めたいという気持ちが強くなっています。

医療はどんどん進んでいって、新しい薬が出たり、新しい検査方法が開発されています。今、興味を持って、より学ぼうとしているのは遺伝子検査です。まだまだ勉強し続けたい。

がん治療後の検診に来られた方の細胞を診て、あ、この人の細胞、以前、診断したことがあるなと思うことがあります。
よくなっていると嬉しくなります。
ー 鎌倉 正和

※インタビュー内容はすべて取材当時のものです。