卒業生だより
同じ志の仲間を見つけた

岡田 匡史さん 横浜DeNAベイスターズ
アスレティックトレーナー

同じ志の仲間を見つけた

PROFILE
保健医療技術学部 理学療法学科 2010年卒業

選手が感じる違和感を、自分の手で感じとれるように、感覚を摺りあわせていく。

背丈は高く、肩幅もがっちりとしている。これまで、病院で治療してきた患者さんとの体格の違いに、初めは戸惑いました。痛みなく日常生活を送ることが目標の病院でのリハビリとは違い、痛みのない動作に加えて違和感なくイメージ通りに動く体をつくっていく。それが、私に求められている役割です。

シーズン中は、故障者の人数によって変わりますが、割合的には肩や肘の故障の対応が多いです。手術した選手を担当することもあり、まずは日常生活レベルにもどるメディカルリハビリテーションからスタートさせ、執刀医に、いつから患部に負荷をかけていいか?どのくらいかけていいか?患部に負荷のないトレーニングはしてもいいか?など、密に会話を重ね、アスレティックリハビリテーションを行っていきます。

選手が感じている違和感を手で感じとり、取り除いていくことは、調子の波やモチベーションなど様々な要因も絡んでおり、しっかりと捉えることは難しいです。求められている要求は高いです。選手とのコミュニケーションや、少しの変化も逃さない観察の積み重ねが大切だと思っています。今は、そんな当たり前のことをしっかりと行い、選手のもつ研ぎ澄まされた感覚を理解できるトレーナーを目指しています。

このままじゃ、ダメだ。
もっと、上を目指そう。
会うたびに、刺激をくれる同級生たち。

小学校から大学まで野球を続けてきました。高校のときに肘・肩を怪我して、その時の経験がきっかけで、理学療法士を目指すようになりました。文京学院大学で本格的に勉強をスタートして驚いたのは、理学療法概論の初回、福井勉先生の授業です。体を触ったことのない自分たちに、「徒手検査で、膝の靭帯がどこまで機能しているか検査をしてみろ」、そう言ったのです。

医療現場でもしっかりとできる理学療法士は少なく、かなりの無茶振りです。でも、その時に感じた、理学療法の難しさや奥の深さは、卒業した今でも覚えていますし、一気にのめり込んでいきました。テーピングやインソールの技術は現場に近い技術で、病院でも今の仕事でも活きており今でも教えを実践しています。

技術や医療人としての心構えなど、大学で得たものはたくさんあります。その中でも一番は、同級生との繋がりです。病院で主任を務めたり、Jリーグチームのトレーナーや、海外で働いたりと、みんなそれぞれの道で活躍しています。そのような同期の経験を聞くたび、このままではダメだ。自分ももっと、上を目指そう。そう刺激され、積極的に学会や勉強会に参加してきました。今の職場に挑戦して、夢を実現させようと思えたのも、同級生の影響が大きいです。理学療法学科のあの合言葉を忘れずに、挑戦しつづけます。

目標にしている理学療法士は、大学時代の恩師、福井勉先生。
理学療法学科の合言葉、「尻の穴を大きく」を忘れずに、もっともっと人間性を、大きくしつづけようと思います。
ー 岡田 匡史

※インタビュー内容はすべて取材当時のものです。