卒業生だより
障がいを負った方や
介護を必要とする方が、
憂いなく暮らせる
世の中の実現を目指して。

清水 優さん アビリティーズ・ケアネット株式会社
第一総合事業部 本店営業所

障がいを負った方や
介護を必要とする方が、
憂いなく暮らせる
世の中の実現を目指して。

PROFILE
人間学部人間福祉学科 2015年卒業。
養護学校の先生をめざして入学したものの、自分のイメージと実際の教育現場とのギャップに苦しみ、断念。就活では一般企業などで福祉の知識を生かす方法を模索し、活躍の場を現在の職場に見いだす。学生時代には社会福祉士、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、ホームヘルパー2級の資格を取得。

私の仕事は、福祉用具やリハビリ機器の販売やレンタルを通じて、障がいを負った方や介護を必要とする方が、住み慣れた自分の家で可能な限り自立した生活が続けられるよう支援すること。電動ベッドや階段リフトの設置販売から車いすの注文販売、バリアフリー化のための住宅リフォームまで幅広く取り組んでいます。

この間は、電動車いすのオーダーメイドを担当しました。設計に必要な身体の各サイズを計ってメーカーに発注するわけですが、採寸と同時に行うのが日常生活についてのヒアリング。車椅子は単なる乗り物ではなく“足”となるものなので、お客さまの普段の暮らしに合った機能や装備を製品に盛り込むためです。一方、お客さまのためになるアイデアであっても、一緒に暮らすご家族の日常生活に支障をきたすような提案はできません。重要課題の解決を優先しつつも、全体的なバランスをとりながらお客さまに最適な提案を行うことが私たちの役割なのです。

もちろん介護の度合いが高まると、現状の福祉用具ではケアしきれないケースが出てきます。先日もすでに自動昇降機付きの便座をご利用いただいているお客さまから、「もうこの便座では立ち上がるのが難しい」という相談を受けました。原因は、便座から立ち上がる際、これまで以上に高い位置まで便座を上げるようになったことでした。病気による筋肉の衰えをカバーするためでしたが、便座を上げすぎたせいで前方のトイレの壁に頭がつかえてしまい、うまく立ち上がれなくなっていたのです。

私は福祉用具の追加や、リフォームでの対応が困難だと判断し、解決策としてお客さまご自身の身体を斜めにして、便座に腰掛けることを提案します。トイレの扉を開け、廊下に頭を出しながら立ち上がることをお薦めしたのです。その際、動きの邪魔になる手摺りも私自身で取り外しました。本当にちょっとした工夫でしたが、その機転が「最後まで自立した生活を送りたい」というお客さまの願いを叶えることにつながりました。涙を流しながら感謝の言葉を口にするお客さまの姿に恐縮しながらも、大きなやりがいを感じた案件でした。
これからも障がいを負った方や介護を必要とする方が憂いなく暮らせる世の中の実現を目指して、一つでも多くの生活上の課題が解決できるよう、目の前のお客さまの悩みに福祉のプロとして正面から取り組んでいきたいと思います。

※インタビュー内容はすべて取材当時のものです。