研究を続けながら、
患者さんにとって
身近な存在でありたい。
文京学院大学では、他の大学ではあまりやっていない実技授業も経験できます。スリングセラピーという、天井から吊るしたロープで患者さんの身体を支え、重力がかからない状態で障害のある部位などを動かす療法があるのですが、スリング自体をみたこともない同僚もいる中で、私は実習でやっていたので取り込みやすかったです。インソール(靴の中敷)やテーピングの実習も役立ちましたし、文京での学びが日々の仕事のベースとなっているという手応えを感じています。
私が理学療法士を志したのは中学時代。小2から中3までバスケをしていたのでよく怪我をし、リハビリも受けていました。松葉杖で通学したこともあります。中3の引退試合の前に足首の靭帯を切ってしまい、かなり落ち込みました。そんな時にリハビリをしながら、精神面でも力になってくださった先生がいました。試合に出たいという私の気持ちを汲んでくださり、当日はテーピングぐるぐる巻きで出場できました。私も患者さんの気持ちを理解し、寄り添える理学療法士になりたいです。リハビリでは、理学療法士が歩き方などをチェックし、その人に合ったインソールを作ることもできます。歩くだけでリハビリ的な効果がありますし、身体の歪みや姿勢が気になる人も気軽に理学療法士に相談していただきたいですね。
大学を出て約2年間は、総合病院で手術後の患者さんのリハビリを担当していました。退院後に「おかげで良くなりました」と挨拶に来てくださったことがあって、とてもうれしかったですね。今は系列のクリニックに勤務。リハビリで、肩こりや腰痛など日常悩まされている症状が緩和していくので、患者さんはみなさん前向きに治療に取り組まれています。患者さんとのコミュニケーションを通してその方の状態を把握し、リハビリ内容を変えています。
仕事をしながら大学院で研究することは、体力的にきつい面もありますが、とても毎日が充実しています。大学院を出ても何らかの形で研究は続けたいです。研究で効果のあったことを患者さんへ、現場で疑問に思ったことを研究テーマに。臨床と研究を双方続けながら、成長していきたいです。
※インタビュー内容はすべて取材当時のものです。