卒業生だより
機械化が進む臨床検査だから
こそ、
技術力を高める必要性
を実感。

布川 和樹さん 東海大学医学部付属八王子病院
臨床検査技師

機械化が進む臨床検査だから
こそ、
技術力を高める必要性
を実感。

PROFILE
保健医療技術学部臨床検査学科 2010年卒業
大学を卒業後、そのまま文京学院大学大学院へ。大学院時代は「味覚と唾液中の亜鉛とストレスの関係」を研究。研究は難しかったですが、臨床検査の奥深さを感じました。先日、お世話になった大学の先生が定年退職されたのでご挨拶に行ってきました。先生との距離が近いところが文京の良い所だと思います。

患者さんのストレスを少しでも減らしたい。60分以内で検査結果がでる診療前採血。

私は臨床検査技師として、患者さんの採血や、血液の検査を主に担当しています。現在、全国の病院では患者さんの待ち時間を減らす取り組みが進んでいます。採血の場合は、診療前採血を導入。これまで2日かかっていた検査と診察を、1日で行えるようになりました。私たちは患者さんが診察前にする採血の検査結果を、40分~60分で出さなければなりません。結果は瞬時にドクターのもとに送られ、そのデータをもとに患者さんの診療が行われるのです。外来の患者さんは、1日500人程来られることもあります。丁寧かつスピーディーに行うことを心掛けています。採血する際の状況や検体の保存方法などによってもデータに影響がでる場合がありますので、基準値から逸脱している数値が検出された場合には再検査を行います。特にパニック値と呼ばれる異常値がでた場合は、緊急対応することもあります。全ての検査に慎重に取り組んでいますが、例えばガンなどの疑いがある血液腫瘍内科の患者さんの検体は特に注意して見るように心掛けるなど、あらゆる状況を複合的に判断しています。

検体を見つめながら、患者さんの健康を思う。

私の祖父と祖母が心臓の疾患を持っていたこともあり、医療に携わる仕事で人の役に立ちたいと臨床検査技師になりました。大学時代は身近な血液などを検体とした生化学の検査に興味を持ち、自動分析機で何十項目も検査を繰り返していました。勤務している病院では、採血を行い、血液像と日々向き合っています。採血は患者さんと顔を合わすので、落ち着いて行うことで安心してもらえるように心がけています。繰り返すことで技術は上がると思います。国家試験に受かっただけではできることも限られているので、常に自分の知識や技術を向上させていきたい。新しい試薬や機器の情報などを学ぶために積極的に研究会にも参加しています。今の目標は、より仕事の質を上げるため、血液の2級検査技師の資格をとることです。検査で病気を発見するということは、患者さんの病気を見つけられたということ。見逃さないで良かった。治療を進めて、元気になってほしい。診察室の前でお待ちいただいている患者さんたちを見ながら少しでも役に立てたら。そう思って働いています。

※インタビュー内容はすべて取材当時のものです。