卒業生だより
鹿島アントラーズのトレーナー
として、
チームの優勝に貢献する。

塙 敬裕さん 株式会社鹿島アントラーズFC
アスレティックトレーナー
理学療法士

鹿島アントラーズのトレーナー
として、
チームの優勝に貢献する。

PROFILE
保健医療技術学部理学療法学科 2010年卒業
大学時代の講義で印象に残っている理学療法学概論。「講義というより、夢ややりたいことを語り合う感じでした」。卒業後も「オスキー」などに参加し、後輩の学生たちに自分の臨床経験を伝えている。「他人の目を気にせず、他人のために動けるようになりなさい」という大学時代の先生の言葉が強く心に刻まれている。

ユースで2度の優勝を経て、トップチームのトレーナーへ。

鹿島アントラーズは、J1リーグなどを含む3大タイトルで史上最多の17冠を誇るプロサッカークラブです。2015年4月、僕はこのプロサッカークラブ、鹿島アントラーズのアスレティックトレーナーとして採用して頂きました。まず勤めたのは、育成部のトレーナーです。トップチームへの昇格を狙う、高校生ユースと中学生以下のジュニアユース、ジュニアを合わせて140人程を1人で診ることになりました。試合への同行、怪我の治療、精神・栄養面のケアなど、やめようと思うくらい忙しかったですが、意地で乗り切りました。幸運にも、優秀な選手、スタッフ、支えてくださる方々のおかげで、日本とアジアの大会で2度の優勝を経験させて頂きました。その活動が評価され、2016年1月からはトップチームへの配属となったのです。晴れ舞台で活躍するトップチームのメンバーは、現在31名。怪我人をいかに早く復帰させられるかが、僕の最大の役割です。トレーニングメニューもすべて変更になる場合がありますので、チームドクターや監督とは常に情報を共有しています。応急処置、テーピング、リハビリ、選手のコンディション管理はもちろん、グラウンドでの練習の準備や選手と監督のパイプ役など、選手やチームにとって良いと思うことは全てやります。今年は、3大タイトルを獲ることがチームの目標。チームの士気も高いです。目標から逆算して、自分がすべきことをいつも考えています。

どうやって生きたいのかを考えつづける。行動しつづける。

僕の理学療法士(PT)としてのスタートは、総合病院。療養型病棟で、100歳近くのご高齢の方、生活保護の対象の方、寝たきりの方などに、リハビリを行っていました。自分のしていることが何の役に立っているのかがわからない。「やる意味あるんだろうか」と無力感に襲われ、リハビリに疑問をもってしまった時期がありました。でもある日、患者さんの身体のほんの少しの変化や、ご家族の喜ぶ顔に気づいたんです。患者さんから「生きる」ということを教えていただいたと思います。それから自分の生き方に向き合えるようになり、理学療法士を目指したきっかけであるサッカーへの思いが蘇り、「トレーナーとしてPTの道を追求する!」と決意。整形外科クリニックと訪問リハビリ事業所でアルバイトをしながら、夜間はアスレティックトレーナーの学校へ通いました。土日は計180時間の研修という日々を、2年間がんばり抜きました。チャンスをつかむためには、自分からアクションを起こしていくことが必要だと思いますが、プロのスポーツチームで仕事ができるのは、幸運が重なった結果です。目の前にケガ人がいればいつでも全力で治すPTでいたいと思います。

※インタビュー内容はすべて取材当時のものです。